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クォーターの中学生である少女まいと、イギリス人であり「魔女」であるおばあちゃんとの暖かい物語りです。生きること、死ぬことなど、忙しい日常で普段忘れてしまっているとても大切なことを感じさせ、考えさせてくれます。
何気ない普通の自然には違いないはずですが、忙しい世の中と比べると別世界に思えるような安らぎを与えてくれるおばあさんの家の周りにあふれる野菜、草花、木々、鳥などの姿についてふんだんに描写されていて、美しい場面が想像できます。また、ところどころで筆者の視点による語りが何気なく添えられており、しゃれたアクセントとして「いいな」と思えました。
おばあさんは魔女と言っても、魔法を使えるというわけではありません。自然に対する知恵が豊かで、暖かく深い心で人や自然を見ることができる豊かな精神性を持った方として描かれています。
そのおばあさんが魔女修行としてまいに大切だと解くことは、自分の意志で決めるということでした。物語ではそれが「魔女修行」という言葉を使って、軽いタッチで描かれていますが、人間にとってとても大切であり基本となることを、おばあさんの言葉を通して教えてくれています。線を引きたくなる言葉もいくつかありました。
おばあちゃんの言う精神力っていうのは、正しい方向性をきちんとキャッチするアンテナをしっかりと立てて、身体と心がそれをしっかり受け止めるっていう感じですね。(本書67ページ)
悪魔を防ぐためにも、魔女になるためにも、いちばん大切なのは、意志の力。自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力です。その力が強くなれば、悪魔もそう簡単にはとりつきませんよ。まいは、そんな簡単なこととっていいますけれど、そういう簡単なことが、まいにとってはいちばん難しいことではないかしら。(本書70ページ)
30分ほど電車で移動する用事ができた時、手ぶらであったため何か読み物がないかと思い、道沿いの本屋で買いましたが、小説の世界に惹かれてしまい、留学の用意をしなければいけないにもかかわらず2日間で読み終えてしまいました。ロングセラーの小説のようで、映画化もされていました。15年以上も前の作品ですが、出会えて良かったです。
書籍としては、今は(調べた限りでは)単行本ではほとんど売られていないようで、新潮社から文庫本で販売されています。
著者:梨木香歩(なしき・かほ)
出版:新潮社(2001年8月1日)
価格:税込420円
<著者プロフィール>
児童文学作家、絵本作家、小説作家。1959年、鹿児島生まれ。同志社大学卒業後、イギリスに留学し、児童文学者のベティ・モーガン・ボーエンに師事する。ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』を愛読書の一つにしている。カヤックの愛好者でもある。時に宗教への思いが強く表れるが、特定の宗教には帰依していない。











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